日本の美が、あなたの技になる。

最新情報
日本からグランドマスターが来仏。少人数制で実演を間近に見て、「Misuzu Paris」の新しいファサードを一緒に作ります。
ヨーロッパで、いま日本の「木の技術」が注目されている
近年、記録的な熱波がヨーロッパを繰り返し襲っています。2026年6月、フランスでは猛暑警戒の最上位「ヴィジランス赤」が72県に発令され、観測史上もっとも暑い6月となりました。イギリスでも同じ6月26日にノーフォークで37.7度を記録し、69年ぶりに6月の最高気温を塗り替え、24日から25日にはロンドンをはじめ6地域に、史上2度目となる最高警戒レベル「レッドアラート」が発令されました。石でできた街は昼の熱を夜まで溜め込み、住まいの暑さは、いま市民が直面する切実な問題です。
フランスはRE2020で「夏の快適性 confort d’été」を新築の要件に定めました。エアコンの普及が急速に進むとともに、CO2を出さずに建築そのものから「涼」を生み出す、日本のサステナブルな設計にも、改めて注目が集まっています。


昨年、パリのノートルダム大聖堂が、「森(la forêt)」と呼ばれる屋根の木組みとともに、再びよみがえりました。
約2,400本の樫を選び、金物のボルトの代わりに木の栓で組み、中世と同じ手斧で刻む ― 800年前とまったく同じ技法が使われたことからも、この再建は、ヨーロッパの建築家や職人たちが、改めて「木」と手仕事へ目を向ける契機になりました。
いまヨーロッパが抱える気候の課題、そして見直されつつある建築の保存技術。この両側面から、日本のある技術がフォーカスされています。その技術とは ― 木造建築の職人「宮大工(みやだいく)」です。
木と木を組み合わせ、釘を使わずに建物を立てる。その技術は1400年の時を超えて、今もなお息づいています。世界最古の木造建造物が日本にあり、日本の数多くの寺社仏閣が長年建ち続けているのは、この技術があるから。師から弟子へ、手から手へと受け継がれてきました。
そして、19世紀のジャポニスム以来、世界の建築家やデザイナーを魅了しつづけてきた「日本の美」― 茶の湯の茶室、禅の静けさ、数寄屋の余白 ―。その空間もまた、宮大工と同じ木の技から生まれています。この技術は2020年、UNESCO無形文化遺産「伝統的建築技術」にも登録されました。
さらに、木は真夏に触れても真冬に触れても、温度が変わりません。真夏の鉄板は火傷するほど熱くなり、真冬には凍りつきますが、木は一年を通して温度が一定です。木に包まれた空間では体感温度が5度以上下がり、エアコンに頼りきらずに夏を涼しく、冬を暖かく過ごせます。日本人の知恵の結晶です。


気候の課題にも、日本の美への憧れにも応える宮大工の技は、
いまこそヨーロッパで
必要とされている。
だからこそ私たちはこの技の継承をヨーロッパへと広める決断をしました。
神社とお寺、
日本人の心のよりどころを造る職人

宮大工とは、神社や寺院をはじめ、茶室や数寄屋といった日本の伝統的な木造建築を手掛ける、1400年続く職人集団です。1000年の風雪に耐える日本の木の建造物を生み出し、何百年前、何千年も前に建てられた建造物を修理して、その姿を次の時代へ伝える。新築と修復、その両面で日本の文化に欠かせない ― 非常に尊い職業のひとつです。
常に木と会話せよ。
木は、育った山の斜面や日当たりによる「クセ」を持ちます。だからこそ宮大工は木と向き合い、クセを見抜き、自然の摂理を受け入れながら、確かな技術で建造物を建てていきます。宮大工は木の目利きであり、木のプロフェッショナルです。その技術の先には、一心な清い心が息づいています。けっしておごらず高ぶらず ― この清い心が、美しい造形美を生むのです。
独自のハイブリッドカリキュラム
本来、宮大工の技は「グランドマスターの家に住み込んで10年」が鉄則でした。しかし本カリキュラムは、日本での実地研修と、オンラインのeラーニングを組み合わせた、独自のハイブリッド型。ヨーロッパを拠点にしながら、約7ヶ月で宮大工技術の本質を習得し、すぐに現場で活かせるように設計されています。
水源の森での間伐、加工場での手刻み、そして実際の社寺建築の現場まで。宮大工の棟梁が一人ひとりを丁寧に導き、手を動かして体感します。
Sur le terrain秘伝の技術を体系化した教材で、道具の手入れ・墨付け・規矩術・継手仕口を、ご自身の国で学べます。eラーニング期間中は2週間に1回、宮大工の指導によるオンライン実技授業を実施。カリキュラムでのご質問にも、一つひとつ丁寧にお答えします。
E-learning日本での実地研修の間、工房のある地に宿泊先をご用意します。棟梁や仲間と寝食を共にしながら学ぶ ― 技だけでなく、職人としての所作や心構えも、この共同生活から受け継がれます。かつて宮大工が積み重ねた「住み込み」を凝縮して体験できます。


卒業後 ― 多様な活躍のかたち
このカリキュラムは、修了認定を受けて終わりではありません。修了時には国際資格「宮大工木造技術者資格」が手に入るだけでなく、主催の宮大工木造技術継承協会のバックアップのもと、すぐに仕事につながるサポートを受けられます。
本カリキュラムを修了すると、協会が認定する国際資格「宮大工木造技術者資格」を取得できます。一度取得すれば生涯にわたって有効です。
本カリキュラム修了後、資格を取得したあなたは、各国で協会の正式な「加盟店」として登録できます。数少ないヨーロッパの加盟店として、茶室・数寄屋・社寺建築・家具・建具・文化財修復を独自に受注し、施工することが可能です。いわば、宮大工の「フランチャイズ」に加わるということです。
主催の特定非営利活動法人 宮大工木造技術継承協会は、すでにフランス・アメリカ・中国での豊富な施工実績を持ち、どこでも本格的な茶室を建てる「モバイル茶室」を筆頭に、数多くの建築案件を受注しています。協会が受注した案件は、今後、正規加盟店である本カリキュラムの卒業生に優先的に発注されます。
いま日本宮大工学院の工房には、連日多くの海外の方が技術を学びに訪れますが、すべての希望に応えるのは難しい状況です。本カリキュラムの卒業生は「協会の一員」として、優先的にプロジェクトへ参加いただけます。
経験を重ねた修了生は、公認講師として教える側で活躍。自国で講座を開き、次の担い手に技を伝えます。ヨーロッパで学べる場所が増えるほど、この技術は次の世代へ確かに残っていきます。
私たちについて
宮大工の技術と私たちの活動は、日本の公的機関にも世界にも認められています。
創業1640年 ― 380年を超える歴史を持つ社寺建築の名家。
募集について
「宮大工学院ヨーロッパ校」は生徒を募集しています。

お申し込み
本カリキュラムは選抜制です。お申し込みの後、エントリーに関するご連絡をさせていただきます。
日本とヨーロッパをつなぐ、その第一歩へ。